【こどもの診療】赤ちゃんが泣き止まない! ヘアターニケットにご用心!?

こんにちは。
今日は、赤ちゃんが泣き止まない時に
知っておくと役に立つかも知れない!?
『ヘアターニケット』についてお話したいと思います。

ターニケット・・・・
聞き慣れない言葉かもですが
日本語では
止血帯(しけつたい、英: tourniquet、ターニケット)
と言います。
もともとは、事故や戦傷による手足の大量出血時に
ベルト使って動脈血流を短時間で遮断する強力な救命用具のことを
止血帯(ターニケット)といいます。

そしてヘア・・・・
髪の毛などの体毛の事です・・・・・

髪の毛の止血帯???
どういう事でしょうか?
赤ちゃんが泣き止まないこととどう関係があるのでしょうか?
今日はそんなお話です。

 

赤ちゃんが泣き止まない!?

さて赤ちゃんが泣き止まないと不安になりますよね。

お腹空いてる?
おむつは代えたし
体調が悪いのかな?
熱が出る前だったりして・・・

と言葉で伝えられない赤ちゃんを前に
途方にくれてしまうことも在ると思います。

泣き止まない赤ちゃん

 

そんな時は、
手足、そして陰部に髪の毛が巻き付いてないか
よーーく、見てみてください!

 

 

さて、本題。へアーターニケットとは・・・

●ヘアーターニケットとは・・・

さて、ヘアーターニケットとは
『髪の毛などの体毛が、足や手の指、陰茎などに巻き付いて、血流障害を起こしてしまう』という病態です。

 

●なぜ、そんなことが!!!

実は、産後ママは、ホルモンの関係で
『脱毛(抜け毛)』が多くなります。

気が付かないうちにハラリと髪の毛や体毛が抜け
たとえばおむつの中に落ちたり

あるいは
洗濯物の内側にしらずしらず入り込んでしまって
靴下の中にまぎれこみ
赤ちゃんが足をぎゅっと握る反射(足底把握反射)も相まってしまい
偶然に指に絡みついてしまう。。。。。

というような感じで発生します。

濡れた髪の毛は特に巻き付きやすく
乾くときゅっと締まる特徴がありターニケットを起こしやすいと言われています。

●多い時期は?

抜け毛の多い時期、特に、産後2−6ヶ月ごろが多いとされています。

でも靴下の中の糸くずなんかでも
ターニケット症候群は起きるので
いつでも気をつける必要がありますよね。

 

 

●百聞は一見にしかず

ヘアーターニケットの症例の論文は数多く写真付きで掲載されています。

ネット上でもたくさんの症例が無料で閲覧できますので
一度検索してみてください。

 

ヘアーターニケット

 

●どうしたら良いのか

まずは泣き止まない赤ちゃんを見たら
全身チェックするということが必要となります。

そして、もしヘアーターニケットに気がついたら
すばやく巻き付いたものを取り除いて
血流を回復させる必要があります。

髪の毛が深く食い込んでいる場合や、うまく取れない場合は、無理をせず早めに医療機関へご相談ください。

●放置すると・・・

このまま気が付かずに
締められ続けると
血流が悪くなってしまいます。

ひどい場合は、血流が途絶えた先が
壊死してしまい切断を要したケースもあります。

 

●予防できるのか?

ヘアーターニケットは
偶発的に発生してしまうので
100%予防するのはむずかしいかもしれません。

でも少しの工夫ができるかもです
・お世話の時は(おむつ替えなど)髪の毛をくくる
・靴下を履かせる時は、裏返して髪の毛や糸くずがないかチェックする
・おむつを履かせるときにも、髪の毛や糸の混入がないかチェックする

そして何よりも大事なのは
そんな事あるんだーと存在を知っておいて
赤ちゃんが泣き止まない時
もしかして!と全身をチェックできる
ということなのかも知れません。

おわりに

今日は
赤ちゃんが泣き止まない時の
原因かもしれない『ヘアーターニケット』のお話でした。

知ってしまえば
『なんだーー!そんな簡単なこと!!』
と思ってしまいますが

もしこのヘアターニケットの存在を
保護者の皆様が知っていれば救われる赤ちゃん達
もいると思います。

一番の対策は『ヘアー ターニケットについて知っておくこと!』

そして泣き止まない時は
かわいい足や手の先を含む全身をくまなくチェックしてみてくださいね☆

 

あん奈

参考文献

・Barton DJ:et al:Hair-thread tourniquet syndorome. Pediatrics 82(6):925-928,1988

・Murat Türkarslan, Yunsur Çevik, Tuba Şafak, Emine Emektar
Eurasian Journal of Emergency Medicine15(2):120-120