【こどもの診療】家族(保護者)は最高の観察者です♡ 『何かいつもと違う』場合は、是非教えて下さい!
こんにちは。
当院は、生後2ヶ月から始まる定期予防接種も行っており
お子さんの診察も行っております。
とはいえ
『こども』は『おとなのミニチュア』ではないので
『こども特有のみかた』というものが必要になります。
私は『小児科医』ではなく『家庭医』なので
診察の中で一番気をつけているのは
『この状態は、このまま良くなっていくか、小児科専門医の先生にご相談したほうがよいか』という事です。
特に新生児〜生後半年までは
スペシャルケアを必要とする事も多く
私も敷居を低くして小児科専門の先生に診て頂いております。
この考え方は、おとなでも、ある意味同じです。
『家庭医』で診れる範疇なのか
『整形外科』『皮膚科』『心臓内科』などといった専門医にご紹介したほうがよいか
を大人の場合にも常に考えております。
さて、このブログの【こどもの診療】シリーズでは
私が何に留意してお子さんを診ているか?を中心に
を少しづつお話していけたらと思います。
はじめに。
子どものかかりやすい病気とは・・・?
さてお子さんがよくかかる病気の代表は何でしょうか?
・風邪
・胃腸炎
・喘息
・熱性けいれん・・・
こういったよくある病気の中から
『あれ?これは〇〇にしては、典型ではない経過だぞ!?』という場合を見つけ出す必要があります。
なので、それぞれよくある疾患の自然な経過を知っておく必要があります。
この自然経過のことを
『イルネス スクリプト(illness script)』といいます。
では、風邪の『イルネス スクリプト(illness script)』は?
さて今日は『風邪』を取り上げましょう。
風邪は、『ウイルス』が引き起こす感染症です。
特定の1つの病名というより、複数のウイルスによって起こる症候群です。
・一刻も早く風邪を治したいので抗生物質(抗生剤)を処方してください!?→こちら
●定義
小児科学の成書であるNelsonでは
『鼻汁・鼻閉』を主症状とした上気道の急性ウイルス感染症で
軽微な頭痛、筋肉痛、発熱などの全身症状を伴う事も伴わないこともある
となっています。
●症状
いわゆる『風邪症状』、つまり『鼻汁』を中心とした『咳』『咽頭痛』などの上気道症状があることが典型になります。
1歳までの乳児の場合は、『しんどい!』を表す手段としてと『不機嫌』『ミルクを飲まない!』『泣き止まない』
といったことがヒントになることもあります。
【乳児】1歳まで
・鼻汁/鼻閉
・不機嫌
・食事量が減る
・まとまって眠れない
・発熱
【幼児〜学童期】
・鼻汁/鼻閉
・咳嗽
・咽頭痛
・発熱
●症状の持続
症状の持続期間も、年齢によって違います。
6歳以上はだいたい1週間程度で治りますが
6歳未満では1-2週間くらいとやや長くなることが多いです。
●一般的な経過
大体の経過は
周りでも風邪が流行ってて(園や学校や家庭)
鼻水や軽い咳なんかがあって
熱がでてきて
熱や鼻水は2、3日でよくなって来たけど
咳が残って、、という形です。
このような経過が典型的な風邪の経過になります。
これにそぐわない場合は『風邪ではないのかも???』と常に考えます。
例)
・まわりに全然風邪の人がいない!
・熱だけで風邪症状がない!
●治療
基本的に
本当の『風邪』の場合
お子さん自身の免疫力で
実は、お薬なしでも治ってしまいます。
(症状をとるお薬も基本的には必要ないとされています。当院ではご家族と相談して処方してます。)
・一刻も早く風邪を治したいので抗生物質(抗生剤)を処方してください!?→こちら
結局、風邪は『治った時』に、やっと確定診断がつくものです。
それにしても
子どもさんは本当に『風邪』をひきますよね。。。
初めて保育園やこども園に入園したら
はじめの方は、ほぼ『風邪』でなかなか登園できなかったという事を
経験される親御さんも多いのではないでしょうか?
こんなにありふれた病気なので
『風邪の診断は簡単だろう』
って思われる方も多いのではないでしょうか。
『風邪も診れない・・・』
なんて揶揄する言われ方もする『風邪』ですが、、、
実は何を隠そう、『風邪』の診断って難しいんです。。。
なぜなら
実は、子どもに限らず大人でも
『風邪は、無事に治ってからやっと、ああ、やっぱり風邪だったんだ。』
と診断がつくものなんです。
なので
経過中は、『風邪だろう』とは言えても『風邪だ!』と診断は原則できません。
そこで
ちゃんと風邪としての
経過に沿って治っていっているかが大事で
その間は
保護者の方に見てもらう必要があり
『おや?風邪ではないかも???』
もしくは
『風邪だったのに中耳炎になってしまった』
という治っていかない経過の時は再受診が必要なんです。
『典型的な風邪の経過とちょっと違うかも・・・』
の再受診の目安とは・・・
くりかえしになりますが
基本的には、『ウイルス』によるものなので
子どもの持つ自然治癒力で治ってしまいます。
しかし自宅で観察していて
・5日を超えて発熱が持続する場合(ただし、月齢が低い場合や元気がない場合は、5日を待たずに受診してください)
・どんどん喉の痛みがひどくなる場合
・ぐったりしてる
・呼吸がはあはあしている
・咳が1週間も2週間も出ている。
・耳をいたがる。耳から汁がでてきた
・食事/水分がとれない
・熱だけで『鼻水』『咳』といった風邪の諸症状がない
・吐いたり、下痢が激しい
などはちょっと典型的ではありません。
風邪ではないのかも知れないし、風邪の合併症の可能性もあります。
その場合は、必ず再診してください。
もう一度診断を見直してみましょう。
脱水ではないか?はとても大事です。
さて、お子さんはとても簡単に『脱水』になります。
発熱や嘔吐下痢、水分がとれない・・・
例えば
・口の中が乾いている
・泣いているのに涙が出ない
・そういえば、尿が出てない。
・呼吸が早く、はあはあしている
・心臓のドキドキがいつもより早い(頻脈)
・目がひっこんでいる
・ぐったりしている
などのサインがあれば、点滴が必要な場合が多いです。
なので、もしそんなことがあれば、必ず教えて下さいね。
当院は、小児の採血や点滴は状況に応じて
その段階から施行可能な小児科へのご紹介をしております。
お電話をくだされば、その時点で受診可能な小児科医にお繋ぎする事もあります。
家族(保護者)の『いつもと違う』は合っている。
さて、われわれ総合医が小児科の先生からよく教えてもらう事は
診察室でしかお会いしない私たちより
家族(保護者)の方が、『一番“普段との違い”を知っている』という事です。
・あやしても泣き止まない
・すぐ寝てしまう
・いつもは食べるおやつも食べない
など普段と様子が違うという
家族の『直感は』基本的にとても正しいです。
なので気になることがあったら
是非教えてくださいね。
おわりに
さて、先日土曜日のこと。
色々仕事を終えて20:30頃でしょうか?
暗がりのなか帰宅準備をしていると通路の向こう側から
当院かかりつけのお子さんとそのご家族が『せんせーー!!!』と手を振ってくれました。
夜のお散歩でしょうか?
嬉しそうに、お子さんがご両親の真ん中でピョンピョン飛びながら
大きく手を振ってくれて
とても温かい気持ちになりました。
また『先生!今日ね!ぼく誕生日やねん!!!だから覚悟できてる!』と
予防接種に来てくれた
かわいい僕ちゃんもいました。
子どもたちと話すと
こちらが元気をもらいます。
私は、『その、ご家族丸ごと』を一つの単位として
拝診してます。
ご家族の中にお子様がおられるときには
そのお子様も
家族メンバーのお一人として
家庭医として診せていただけることに
本当に幸せに感じます。
定期予防接種や風邪などを
必要に応じて小児科にコンサルト(ご紹介)をしたりしながら
共にいろいろ乗り越え
一緒に成長を楽しみにしてます
またいつも当方の患者様を
快く応需して
診てくださる後方病院の小児科の先生方
本当にいつもありがとうございます。
おかげさまで安心して普段の診療ができております。
これからも宜しくお願い致します。
あん奈
過去の参考ブログ
・お子さんの5日以上続く発熱は、再診をよろしくお願いします。
川崎病やその他の疾患の可能性も含めてもう一度、診せていただきたいです。→こちら
お子さんの5日以上続く発熱は、再診をよろしくお願いします。 川崎病やその他の疾患の可能性も含めてもう一度、診せていただきたいです。
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