Choozing wisely というキャンペーン活動について

こんにちは

最近すっかり涼しくなりましたね。
私は、最近ダイエットをして結構効果が出たのですが
おかげですっかり寒がりになりました。(笑)
これからは、筋トレをがんばって
筋肉をしっかりつけていきたいと思っております。

 

さて、私は定期購読している医学系雑誌が何種類かあるのですが
そのなかでもこの『総合診療』 医学書院 は、いつも面白い話題を取り扱っており
忙しい開業医の毎日で、知的好奇心を満たすひとつのツールになっております。

今月は
『Choosing WiselyとHigh Value Care』という話題でした。

総合診療雑誌

Choosing Wisely(チュージング・ワイズリー)とは??

「Choosing Wisely(チュージング・ワイズリー)」直訳すれば、「賢く選ぶ」という意味でしょうか?

医学においては、色々な選択があります。
と言いますか、医療は選択の連続です。

どの検査をするべきか?(しないべきか)
どの薬を飲むべきか?
検査の頻度はどうすればいいのか?

この選択をしていく根拠はどこにあるのか?と考えてみたことはあるでしょうか?
『なんとなくそのほうがよさそうだから。』
『周りがみんなやっているから。』
『慣例でそうやってきたから。』
『医師が勧めたから』

そのようにして色々なことを医師も患者さんも決めてしまっているかもしれません。

このChoosing Wiselyというのは、
『医療において賢く選択しましょう!』というキャンペーンで米国にルーツがあります。

2002年に米国内科学会、米国内科専門医機構 (ABIM)財団、欧州内科連合が主導して
「新ミレニアムにおける医のプロフェッショナリズムズム:医師憲章」という
医の“あるべき姿”を提唱したものを公表しました。
「患者の福利」「患者の自律性」「社会正義」という3つの原理と10個の責務から成り立っています。
この医師憲章の精神を実践するために、米国内科専門医機構(ABIM)財団主催のフォーラムが毎年開催され
2011年のフォーラムで初めて「Choosing Wisely」という言葉が登場しました。

なんとなく根拠なく行っている医療をやめましょう!
たくさんの薬を併用するのは、やめましょう!
無駄な医療費を減らしましょう!
というキャンペーンです。

現在までに、いろいろな国がその動きに賛同しており
日本にも『Choosing Wisely Japan』という団体があります。→こちら

その後、アメリカでは、医療費の高騰を抑える動きもあいまって
それぞれの専門領域において
「患者さんの利益を損なうことなく医療費を抑えるための5つのリスト」を列挙するように活動が進められました。
そして実際に多くの専門学会から5つの診療行為が寄せられました。
つまりは“臨床的な意義の低い5つの診療行為のリストです。

日本語訳も公開されています。http://medicalnote.jp/groups/4/

 

日本では
2015年に、総合診療指導医コンソーシアムが日本で始めて「5つのリスト」を発表しました。

日本の総合診療指導医 5つのリスト

Choosing wisely Japan のHpより引用→こちら

こういったリストは
私達が、例えば「この検査受ける意味があるのかな?」と迷った時
に一つの判断の強い味方になる指針です。

ただ、もうひとつ大事なことは
なにもエビデンス(科学的な根拠)だけで実際の医療を決める、決まるわけではありません。

患者さんとの対話の中で
『その患者さんにとって本当に必要か?』
という視点がとても大事とのことで
この点は、家庭医療ととても親和性があるように感じました。

『医学的には〇〇と言われているけど、〇〇さんはどうしたい?どう思う??』
そういった診療の進め方がとても理想的だと思います。

私も、今回のこの総合診療の雑誌では
多くの学びがありました。

世の中の動きはどんどん変わります。
医療会も本当に変化が激しいです。
医学生のころに学んだ事は
もう古くなっていることもたくさんあります。
医学はこれからもどんどん進歩し続けるんだと思います。

私もその流れになるべく食らいついて
学んでまいりたいと
また、患者さんにそのことを還元しながら
一方でそれぞれの患者さんの想いを大事にしながら
患者さんと一緒に相談しながら
診療を進めて参りたいと強く思いました。

 

あん奈