夏に効く!?漢方のご紹介(熱中症にも!夏バテにも!)

さて、、「暑い・・・・」
この言葉を、一日に何回言ってしまったでしょうか???

ふう。。。

かと言って、クーラーですごく冷えている部屋も
「手足の冷え」「倦怠感」「肩こり」など体調の不良の原因となって
苦手な方も多いのではないでしょうか?

暑いところと、クーラーの効いた部屋の出入りも
結構ストレスですよねえ。。。

また、、、暑いし冷たいものを!!と思って
冷たい飲み物やアイスクリームなどを食べすぎると
消化、吸収機能も衰えていきます。

暑くてばてる犬

このように夏は、「熱中症」という問題と、「夏バテ」という問題があります。

熱中症に関しては→こちらこちら

夏バテ・・・これは夏の暑さとクーラーに冷えなどによる、どちらかというと夏の後半、もしくは少し秋が始まる頃に
出てくる「食欲不振」「疲労感」「不眠」などの総称です。自律神経の働きが乱れることによるとも言われています。
東洋医学では、夏バテは「注夏病(ちゅうかびょう)というそうです。

さて、そんな夏の諸々の症状に対しても漢方薬がお役立ちします。
今日は、「夏に効く!?漢方薬」を集めてみました。

本日の主役たち(登場漢方)

・清暑益気湯

・補中益気湯

・人参養栄湯

・白虎加人参湯

・五苓散

漢方イメージ

清暑益気湯(せいしょえっきとう)

いかにも「夏!」というような「暑」という文字が入っているこの漢方薬は、夏の代表的な漢方薬です。
構成生薬を見てみると、「人参」と「黄耆」という生薬が入っており、元気が出る漢方の一つです。
また熱を冷ます作用のある「黄柏」、胃腸の機能を高める「陳皮」「蒼朮」など、体に潤いを与える「麦門冬」「五味子」などが含まれております。

つまり

夏の暑さで、汗をかいて、口が乾いて、なんか食べたくないなあ。」

という時にもってこいの漢方と言えます。

清暑益気湯

補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

「気」を補うという字が入っている補中益気湯は、元気を出させる漢方の代表です。
「中」とは胃腸の働きをさすのだそうです。
実は、構成生薬を見てみると、先ほどの「清暑益気湯」とよく似ています。
元気を出させて(「人参」と「黄耆」)胃腸の機能を高める(「陳皮」や「蒼朮」など)ところは同じです。
熱を覚ましたり、体に潤いを与えるというような生薬は入ってないので、どちらかというと「元気を出させる」ことに特化しているようです。

つまり

「汗とかはそこまでじゃないけど、とにかくだるい。一日中クーラーの効いた部屋に良すぎてやる気がでない。。食欲も別にない、なんか夏に痩せてしまった。」

みたいな時に良いのではないでしょうか?
補中益気湯は、夏だけでなく一年中、元気がない時には役に立つ漢方薬です。

補中益気湯

人参養栄湯

この漢方薬も、構成生薬を見てみると、「人参」と「黄耆」という生薬が含まれており、
清暑益気湯や補中益気湯と並んで「元気を出させる」漢方です。
「血」も「気」も足りない!という時に役に立つ「気血双補剤」です。

そのほかに、血行を改善する「当帰」や「地黄」、水分循環をよくする「白朮」や「茯苓」
また慢性的な咳などの呼吸器症状に効果があり、精神を安定させる効果もある「遠志」なども配合されています。

なので

夏の間、風邪をひいて咳が長引き、体力が消耗して、クーラーに当たると肌寒く感じてしまい、気持ちもはれない・・・」

みたいな感じでしょうか?

人参養栄湯

白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)

これは「石膏」が入った、体を冷やす漢方薬です。
のどの渇きやほてりを鎮める「白虎湯(ビャッコトウ)」に、元気のでる「人参」を加えた処方です。
体に熱がこもって、ほてりやかゆみなどが起こっている時にも効果があります。
体液を潤す生薬が多く入っているので、体が潤いを保ったまま強力に冷える!という漢方です。

これは、

「屋外で作業し続けて、熱中症になりそう!なりかけている!」

という時に本領を発揮してくれそうです。

白虎加人参湯

五苓散(ごれいさん)

五苓散は、代表的な「利水剤」です。
利水とは、水分が偏っている(溜まるところには溜まっているのに、足りないところにはない)という「水毒」の状態を
打開する(「水をさばく」と言います。)ことを指します。悪いところの水は追い出して必要なところにまわす。そんな優れものです。

構成生薬の5つは全て「水をさばく」働きがあります。(「沢瀉」「蒼朮」「猪苓」「茯苓」「桂皮」)

なぜこれが夏に良いか?

夏に食事がとれないという時に、

「口が乾いて、吐き気がする、場合によっては下痢もして、尿が減っている。水分摂りたいたいけどムカムカする。」

という時に、胃に溜まっている水分を早く巡らせて、口の渇きを癒す効果があるのでこの五苓散が効果はあるのです。
実は、この状態何かに似てませんか?そう「二日酔い」です。
二日酔いにも五苓散お試しくださいね。

五苓散

「血」「気」「水」の考え方については過去のブログをご参照くださいね

・「気」とは何ですか?〜 気虚??→こちら

漢方薬について 〜「気」とは何ですか?〜 気虚??

・「気」とは何ですか?〜 気鬱??→こちら

漢方薬について〜「気」とは何ですか?〜 気鬱??

・「気」とは何ですか?〜 今日は、気逆!?→こちら

漢方薬について〜「気」とは何ですか?〜 今日は、気逆!?

・「気」「血」「水」の「血(ケツ)」!〜→こちら

漢方薬について〜今日は「気」「血」「水」の「血(ケツ)」!〜

・「気」「血」「水」の「水(スイ)」!〜→こちら

漢方薬について〜今日は「気」「血」「水」の「水(スイ)」!〜

おわりに。

いかがでしたでしょうか?

夏には夏の!?漢方薬があるもんですね。
それぞれの体質、症状、季節に合わせて
その時々必要なものを取り入れながらうまく漢方薬を選択していけると良いですね。

もし気になる症状、気になる漢方薬があればお気軽にご相談くださいね。

さて、夏は暑いですが、四季があるのは日本の素晴らしいところだと思います。
是非是非漢方の力も借りながら
なんとか乗り切っていきたいと思います。

皆様もご自愛くださいね。

あん奈