高齢者の肺炎球菌ワクチンが、5年毎ではなく1回で終わる時代が目前です。2026.4月からはプレベナー20 (PCV20)が定期接種になります。キャップバックス®(PCV21)も任意接種ですが、候補にあがります。
こんにちは
もう2月ですね。
年明け、1ヶ月あっというまでした。
さて、当院では
65歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン
の予防接種を施行しております。
そのため
過去のブログでもたびたび
「65歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチンの接種に関する考え方」
を掲載してご紹介してきました。
今回
2026.4月から
高齢者肺炎球菌ワクチンの定期接種が『ニューモバックス®』から『プレベナー®』に変更
になりますのでお知らせ致します。
まず、略語の確認をしておきます。
●PPSV23:ニューモバックス®(MSD社)
●PCV13:プレベナー13®(ファイザー社)
●PCV15:バクニュバンス®(MSD社)
●PCV20:プレベナー20®(ファイザー社)
●PCV21:キャップバックス®(MSD社)
はじめに・・・・
2026.4月から高齢者の肺炎球菌ワクチンの『定期接種』が
ニューモバックス®→プレベナー20®への変更になります。
現在の肺炎球菌ワクチンの定期接種では
・小児は
●PCV20:プレベナー20®(ファイザー社)
・高齢者(65歳)
●PPSV23:ニューモバックス®(MSD社)
が使用されていますが2026.3月で終了になります。
2026.4月からは
・小児は
●PCV20:プレベナー20®(ファイザー社)のまま
・高齢者(65歳)も小児と同じで
●PCV20:プレベナー20®(ファイザー社)になりますよ!
というのが大きな変更点です。
最新の「65歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種に関する考え方(第7版)」(2025年9月30日改定)では
・2025年9月30日、日本呼吸器学会と日本感染症学会、日本ワクチン学会は連名で
「65歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種に関する考え方(第7版 2025年9月30日改訂)」
を公表しました。→こちら
●第7版
引用:65 歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種に関する考え方 (第7版 2025年9月30日)→こちら
2026.3月末まで定期接種は
65歳で ●PPSV23:ニューモバックス®(MSD社)のままです。
ただこの時も
●PCV20:プレベナー20®(ファイザー社)
●PCV21:キャップバックス®(MSD社)
を任意接種としては、選択肢として記載されていました。
もう一度・・・・
2026.3月までは定期接種は『ニューモバックス®』です。
肺炎球菌の定期接種とは?
定期接種とは、公費(一部自己負担あり 4300円)で受けられる予防接種です。
繰り返しになりますが2026.3月までは
定期接種で接種するワクチンは
・PPSV23:ニューモバックス® (MSD社)
です。
大阪市のHPは→こちら(2025.4月更新)
これが
2026.4月からは、定期接種は『プレベナー20®』となります。
2026.4月からは、定期接種が
●PCV20:プレベナー20®(ファイザー社)
になりますよ!
という事が大きな変化です。
自己負担額など発表になったらまたお知らせしますね。
★★★ここから少しおさらいを。★★★
●肺炎球菌とは?
肺炎球菌は主に気道の分泌物に含まれる細菌です。
唾液などを通じて飛沫感染し、気管支炎や肺炎を引き起こす細菌です。
重症化すると敗血症などの重い合併症を引き 起こすことがあります。
特に肺炎はわが国の死亡原因の第 5 位となっています。
成人の肺炎のう ち1/4 ~ 1/3は肺炎球菌が原因と考えられています。
肺炎球菌は実は、90種類以上のタイプがあります。
特に保育園、幼稚園などの集団生活が始まるとほとんどの子供が持っていると言われています。
●肺炎球菌ワクチンを受けたほうがいい人
☆ご高齢の方(65歳以上)
年齢が上がる程、感染しやすく重症化しやすくなります。
☆基礎疾患を有する方
・ 心筋梗塞や心不全など心臓疾患
・ 喘息やCOPD(肺気腫)など呼吸器疾患
・ ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害
☆乳幼児
免疫がまだ弱く、感染しやすく重症化しやすいとされています。
そのため乳幼児の定期接種にも肺炎球菌ワクチンが入っており、現行の定期接種はプレベナー20®です。
●肺炎球菌ワクチンは、大きくわけて2種類あります。
PPSVとPCVです。
さて肺炎球菌ワクチン、実は大きく分けて2種類あります。
●PPSVは「pneumococcal polysaccharide vaccine」の略で日本語で「肺炎球菌多糖体ワクチン」
肺炎球菌の表面にある「莢膜(きょうまく)ポリサッカライド(多糖体)」を抗原としたワクチンです。
この莢膜成分を体内に入れて
この敵が来たら追い出してね。と体に覚え込ませるものです。
効果の持続が5年と短いため、5年毎に再接種が必要なのでした。
・PPSV23:ニューモバックス® (MSD社)
●PCV 結合型ワクチン (pneumococcal conjugate vaccine:PCV)
一方、PCVは肺炎球菌の莢膜の一部と「キャリアタンパク」を結合させた結合型ワクチンです。
PCVは、免疫に関わる細胞のうち、B細胞だけでなくT細胞も活性化するといわれており
PPSVよりも長期間にわたる免疫効果が期待できるという特徴があります。
なので再接種必要なく1回で完了です。
・PCV13:プレベナー13®(ファイザー社)
・PCV15:バクニュバンス®(MSD社)
・PCV20:プレベナー20®(ファイザー社)
・PCV21:キャップバックス®(MSD社)
数字が多いほど、多くの種類の肺炎球菌を抑え込めるので
基本的に数字が多いほど良いはずです。
2026年 4月からはこのうち
・PCV20:プレベナー20®(ファイザー社)
が選ばれているという事です。
でも、PCV21のほうが種類が多く
特にご高齢の方で問題となるタイプの肺炎球菌をより多くカバーしていると
言われています。(後述)
●各種ワクチンを見ていきましょう。(主要なもののみ)
●『ニューモバックスNP®』(PPSV23)(MSD社)
効果が5年と短い事もあり、2026.3月で定期接種ではなくなります。
長い間お疲れ様でした。という気持ちです。
●『プレベナー20®』(PCV20)(ファイザー社)→2026.4月〜定期接種 NEW!!!
『プレベナー20®』は肺炎球菌の中で、20種類の型の肺炎球菌をカバーすると言われています。
日本における肺炎球菌の血清型を
ニューモバックスNPと同様にカバーでき
そのため現時点では追加接種は原則不要とされています。
前述のように、小児の定期接種になっております。
そして2026.4月から高齢者の定期接種になります。NEW!!!
●『キャップバックス®』(PCV21)(MSD社)
さて、では『キャップバックス®』とはどういった立ち位置でしょうか?
プレベナー20®とはカバーする血清型の構成が異なり、
特に高齢者で問題となりやすい血清型を多く含む点が特徴とされています。
高齢者に特化して研究された、今までとはコンセプトの異なるワクチンで
特にご高齢の方で問題となるタイプの肺炎球菌をより多くカバーしていると
言われています。
こちらも、PCVですので、予防効果が長く持続されると推定されています。
そのため現時点では追加接種は原則不要とされています。
2025.10.29に発売となった新しいワクチンで
2026.4月からの定期接種には間に合いませんでした。
でもこの様に、高齢者で問題になりやすい種類を対象に設計されているので
おそらく近いうちに定期接種になるのではないかと思います。
小児が『プレベナー20®』で高齢者が『キャップバックス®』というような感じになるのかなと思っております。
結局、何をどうすればいいでしょうか?
『キャップバックス®』の任意接種という選択肢も。
定期接種は、基本的に65歳で接種します。
接種猶予は、1年間の期間があるので(66歳の誕生日前日までなので)
2026.4月以降まで
接種期限が余裕がある方は
そこまで待って『プレベナー20®』を接種してもいいと思います。
65歳ではない方は
定期接種の対象者ではないのですが
任意接種といって、自費で受けられます。
任意接種の方は
コストさえクリアできれば、現時点では
『キャップバックス®』のほうが良いかも知れません。
(当院では15000円(税込)2026年2月現在)
もちろんワクチンの進歩は目覚ましいので
今後もどんどん新しいワクチンが出てくるかもしれません。
おわりに・・・・
本当にワクチン分野は進歩が激しいですね、、、
情報に追いついていくのだけでも忙しいです。
みなさまも
これだけ巷にワクチン情報が
溢れていたら
何をどうやって選択すべきか迷われると思います。
ぜひお気軽にご相談ください。
あん奈
参考過去ブログ
・成人の肺炎球菌ワクチンについて (2025.4月更新) プレベナー20®の登場による変更あり→こちら
・またまた改定!! 65歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種に関する考え方(2025.9.30〜)→こちら




