「水虫」についてお話します。

さて、ますます暑くなってまいりました。
もうすぐ夏ですね〜!!!

暑くなると足もとはサンダルを履くことが出てくると思います。
そんな肌や足の露出が増える季節にこそ
知っておきたいことの一つに
「水虫」があります。

足のイラスト

水虫とは?

水虫ってよく聞きますが
いったいどんな病気でしょうか?

水虫は、白癬(はくせん)とも呼ばれます。
白癬菌(はくせんきん)というカビの一種が皮膚や爪に増殖して起こる感染症です。

白癬菌は、皮膚のたんぱく質を栄養源とするので
温かく湿った環境を好みます。
靴下や靴で覆われた足は、蒸れて高温多湿となりやすく
白癬菌の大好きな場所です。

なので水虫は、足に多いのですが
もちろん、手などの他の部位にも感染します。

どんな人が、水虫になるのでしょうか?

水虫は、高齢者に多いイメージがありませんか?
たしかに、高齢者の方は足のセルフケアまで
こまめに行える方は少なく
足の水虫に介護者が気がつくことが多いです。

でも、基本的にどなたでもなります。
例えば誰かの水虫の処置を素手で行った介護者の手にもうつります。

介護者は、処置の際には、必ず手袋をつけて行い
処置後は手を洗って感染を防ぎましょう。

どうやって感染するのでしょうか?

基本的には、接触(触ることで)で、うつります。

先程の、水虫の方に素手で薬を塗るという行為でもうつりますし
白癬菌がついている足ふきマットやスリッパなどを共有することでも感染します。

 

 

水虫の種類

さて、「水虫」と一言で言っても
いろいろなタイプがあります。
ひとつづつ見てみましょう。

水虫の種類

①趾間型白癬

  • 一番多いタイプです。
  • 趾間型は、指の間の皮膚白くふやけてじくじくします。
  • 皮がむけることもあります
  • かゆみ、悪臭を伴うことがあります。
  • 夏に症状が強くなり、涼しくなるとマシになりますが、お薬はしっかり治し切るまで(目安 2ヶ月以上)塗布してくださいね。

②小水疱型(汗疱型)白癬

  • 小水疱型は、足底や足のふちに、赤みを帯びた小さい水ぶくれが出来ます。
  • 破れて皮がむけたりもします。
  • 強いかゆみを伴うのが特徴です。
  • こちらも夏に悪化しやすい傾向があります。

③角質増加型白癬

  • 角質増殖型は、足底全体の皮膚が乾燥足の裏が硬く厚くなり、時にひび割れを伴います。
  • いわゆるフケがポロポロ落ちます。
  • 乾燥する冬に悪化して痒みがありません。
  • ただの皮膚の乾燥だと放置されやすいので知っておくと良いでしょう。
  • 比較的まれなタイプです。

④爪白癬(爪水虫)

  • なお、白癬菌は爪にも感染することがあり、「爪白癬(つめはくせん)」と呼ばれます。
  • 足白癬を放置している場合に出てくることが多いですが単独でもおきます。
  • 爪白癬は、爪が白~黄色に変色して厚くなり白い筋ができたりボロボロと崩れるのが特徴です。

 

診断はどのようにつけるのでしょうか?

診断は、水虫を疑う皮膚や爪を取らせていただいて
顕微鏡で見て白癬菌がいるかどうかという検査になります。

深いところに白癬菌がいるので
結構、奥まで取らせていただきますね。

当院は、申し訳ないですが
外注検査と言って
検体を頂いて、外の機関にお願いしております。

 

水虫の治療にはどのようなものがあるでしょうか?

  • 抗真菌薬(塗り薬)による治療が基本です。
  • 飲み薬もありますが、内服薬では肝臓が悪くなることがあるので、投与前後で採血を行い、肝機能をチェックする必要があります。
  • 水虫の治療では「治し切る」ことが大切です。
    再発もしやすい病気ですので、自覚症状がなくなってからも2~4週間は治療を続けることが大切です。
    だいたいのめやすとしては、趾間型では2ヶ月以上、小水疱型では3ヶ月以上、角質増加型では6ヶ月以上塗布が必要になっております。

生活の中で気をつけておきたいこと。

  • 白癬菌が好きな、湿度が高く不衛生な状態で長時間過ごすことでも感染や悪化しやすくなるので
    足の清潔がとても大事です。
    日常的に足を清潔に保ち、ムレを防ぎましょう
  • 家庭内に水虫の人がいる場合は、足ふきマットやスリッパ、タオルなどの共有を避け
    こまめに洗濯・清掃
    します。
  • 足を洗うときは石鹸をよく泡立て、こすらずやさしく、指の間までしっかり洗いましょう
    軽石を使うのはオススメできません。
    しっかりすすいだ後は、タオルで十分に水気を拭き取ります。
  • 爪は短く切っておきましょう。
  • 合わない靴を履き続けるのもおすすめ出来ません。

おわりに・・・・

患者さんの中には
足の皮膚病変を相談するのは
「恥ずかしい」と思う方もおられます。

 

足の写真

でも
前回の

さて、足も診せてくださいね。足の爪、伸びていませんか?こちら

のブログでもお話したように
足を診せていただくことは
とても大事なことです。

水虫の検査や、切りにくい爪の爪切りも当院でご相談していただけたらと思います。

その他、ぜひ、気になるところがあれば
ご相談いただけたらと思います!

 

参考過去ブログ

さて、足も診せてくださいね。足の爪、伸びていませんか?→こちら

さて、足も診せてくださいね。足の爪、伸びていませんか?