患者さんに貸していただいた本を読了しました。

患者さんにお借りした本を読了しました。

私は、そもそも本を読むのがとても速い方ですが、、
今回お借りした本はかなり興味深く
いつもにましてのめり込んでしまい、2冊ともまとめてほぼ1−2日で読了してしまいました。

 

少し、ご紹介しますね。

 

家で死のう! 萬田 緑平さん作

 

家で死のう

 家で死のう 萬田緑平さん作

こちらの本は、もともと外科医師だった萬田先生が、現在緩和ケア医として診療していく中で
今、感じておられることを惜しみなく書き出された本です。

自然な経過に抗わずに
本人の「やりたいこと」にフォーカスを当てて
病院での治療はやめて
自宅で生きることを選んだ患者さんの最期は
病院でのお看取りとは全く違う・・・・

萬田先生はそのように繰り返しおっしゃります。

私も、福井の在宅医療専門クリニック、オレンジホームケアクリニックで研修させていただき
たくさんのお看取りに携わらせて頂いた中で
病院でのお看取りと自宅で本人の好きなように過ごすお看取りは全く違うということには
すごく同感いたします。

人の価値観はそれぞれなので
どちらがいいかというのは、
私個人としてはそれぞれが決めればいいと思っています。

ただ「病院で亡くなるのが普通で当たり前」「それが普通」
と思っている方には
一度読んでいただきたいなと思います。

こういう世界もあります。

死を前にして
選択肢は一つではありません。
医療の力をどの程度借りるか自分で決めたらいいんです。
是非色々な選択肢を知ってから
ご自分らしい、ご自分の好きな方法を選ばれたらいいと思います。

ライオンのおやつ  小川 糸さん作

 

ライオンのおやつ

 

ライオンのおやつ 小川 糸さん 作

こちらは小説でした。

ある瀬戸内の島にあるホスピスが舞台です。

規則は特にありません。
「自由に時間を過ごす」ことぐらいです。

ただ毎朝のお粥がとても美味しそうなこと。
また、毎週日曜日「おやつの時間」には人生の最期に食べたいおやつを
入居者がリクエストし
誰のおやつが選ばれるかはわからないのですが
そのおやつにまつわるエピソードと共に
みんなでシェアする。。。

そして病状が辛い時を支えるいろいろなケアラーがいる。

食べて、生きて、この世から旅立つ

登場人物それぞれの
ストーリーが
心を温めてくれました。

 

 

2冊読んでみて・・・

さてこの2冊をご紹介くださった患者さんは、以前玉出を舞台にした小説を紹介くださいました。→こちら

国語の先生です。

 

私は
この2冊を読むことで
この本を貸してくださった方のことがまた一歩いままより分かった気持ちがしました。
嬉しいです。

主治医と患者さんの関係はこうやって
どうやって生きていきたいかを
ゆっくり話し合える関係がいいと思います。

私は、意見を押し付けることはしません。
「その方がどうしたいか」が大事だと思ってます。
でもその方がしっかり間違えなく選べるような
情報をしっかり提供することが医師の仕事だと考えています。

 

私自身は・・・・
あくまで今の考え方ですが(変わってもいいのです)
なるべく自然に抗わずに生きたいと思ってます。

もちろん医療の力を借りて
「治る」ならそれもいいのですが
もし「治らない」なら。。。
穏やかに暮らしたいなと思っています。
なるべく痛いとか苦しいとかは避けたいと思ってます。

 

みなさんが、どうしたいか
そうやって生きていきたいか考える一つの手助けに
この2冊よかったら読んでみてくださいね。

本の紹介でした。

あん奈