RSウイルスワクチン『アブリスボ®』が2026.4月から定期接種となります!生後すぐからRSウイルス感染症の重症化を防ぐ「母子免疫ワクチン」です。
はじめに
こんにちは。
ワクチン界隈の、進歩や変化には目覚ましいものがあり
その変更点に追いつくだけでも結構大変ですよね・・・・
帯状疱疹ワクチン、肺炎球菌ワクチン、子宮頸がんワクチン・・・色々ありすぎて
いったい何ワクチンの話だっけ!?と混乱してしまう方も少なくないと思います。
今日は、2026 .4月から
これまで妊婦さんが『自費』で赤ちゃんを『RSウイルスから守るために』
任意で接種していた妊婦さんむけRSウイルスワクチン『アブリスボ®』が
この2026.4月からは
公費負担(おそらく自己負担 無料 2026.2月現在正式発表は未ですが)で
定期接種として受けられるようになりますので
今日は、そのお話をしたいと思います。
自費で接種すると
約3万円以上の自己負担が発生する
高額な予防接種だっただけに
それが全額公費負担、実質、自己負担無料になるというのは、希望者にとっては朗報だと思います。
是非、しっかり情報を正しく習得し希望者はご相談ください。

少しおさらいです。
RSウイルス感染症について
●RSウイルスとは
RSウイルス感染症とは
子供から大人まで感染する
RS(respiratory syncytial )ウイルスによる
呼吸器の感染症です。
生後1歳までに半数以上
2歳までにほぼ100%の子が
RSウイルスに少なくとも1度は感染し
しかも何度も感染と発病を繰り返す
と言われています。
これまで長年
新生児(生後4週間目までの生まれたて赤ちゃん)のRSウイルス予防が課題となっており
特に心疾患・呼吸器疾患などを持って産まれた赤ちゃんは
RSウイルスに感染すると重症化のリスクがあるため
パリビスマブ(シナジス®)を流行期には注射投与したりして
RSウイルスの予防をしておりました。
●RSウイルス感染症の症状は?
RSウイルスに感染するとどんな症状がでるのでしょうか?
実はその程度は軽症〜重症まで様々です。
通常は
RSウイルスに感染してから
2~8日(4~6日間が多い)の潜伏期間を経て
発熱、鼻汁などの風邪のような症状が数日続き
軽症で自然軽快することが多いです。
しかし、中には
咳がひどくとまらない
喘鳴(ゼーゼー)が出る
呼吸困難など
重い症状が出現することもあり(重症化)
入院管理を要する事もあります。
場合によっては
細気管支炎
肺炎へと進展することもあり注意が必要です。
●RSウイルスの流行期は?
RSウイルスは、秋から春にかけて流行します。
●RSウイルス感染症にかかったら、治療は?
RSウイルスには、特効薬はありません。
症状を緩和するお薬を飲んで
自分の免疫力で追い出していきます。
なので免疫力が弱い方(後述)は予防が必要です。
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さて本ブログでは折に触れて
『ウイルス』と『細菌』の違いや
風邪、つまりウイルス感染には抗生剤は効果がないというお話を
啓蒙しております。(風邪とはウイルス感染の総称です)
→よろしければここらへんのブログをご参照ください。
・風邪に効く抗生剤!? それってウイルスなの?細菌なの??? 2024.7月更新→こちら
・一刻も早く風邪を治したいので抗生物質(抗生剤)を処方してください!?→こちら
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●どういう人が重症化に気をつける必要がある?
さて、ではどういった人が重症化リスクがあるのでしょうか?
・早産児
・生後24か月以下で心臓や肺に基礎疾患がある小児
・生後6か月以内の乳児全般
・神経・筋疾患やあるいは免疫不全の基礎疾患を有する小児
・糖尿病や肥満、慢性腎臓病などの持病がある方
・慢性呼吸器疾患などの基礎疾患を有する高齢者
つまり・・・
RSウイルスの感染の重症化に気をつける必要があるのは
生まれたての赤ちゃんと高齢者という事です。
●RSウイルス感染症はどうやってうつる?
主に接触感染と飛沫感染で感染が広がります。
●接触感染は
RSウイルスに感染している人に触ったり、
ウイルスがついた物品を触ったり、その手をなめたりすることで感染することを言います。
なので保育園などお子さんに流行しやすい傾向があります。
●飛沫感染は
RSウイルスに感染している人の咳やくしゃみ
あるいは会話などをした際に口から飛び散るしぶきを
浴びて吸い込むことにより感染することを言います。
さて、RSウイルスを『予防』できるのでしょうか?
さて、RSウイルスは上記のように
接触感染や飛沫感染なので
手洗い、うがいは必須です。
そのうえで重症化になりやすい方には
さらなる予防法として以下があります。
1) モノクローナル抗体製剤 (発症抑制のお薬です。)パリビスマブ(シナジス®)
先程もチラリといいましたが、シナジス®の注射です。
RSウイルス感染による重症化リスクの高い新生児、乳児が対象になります。
具体的には
・早産児
・気管支肺異形成症(BPD)
・心疾患、免疫不全
・ダウン症
等がある場合、基本的に小児科で赤ちゃん本人への注射になります。
2) RSウイルスワクチン(現在のところ2種類あります。)(こちらは、いわゆる予防接種です。)
●アブリスボ®(ファイザー社)
ファイザー社から 2024.5.31発売開始されたワクチンです。
2つの年代での接種が認められております。
①妊婦 (妊娠24(28)~36週)→今日の主役!!! これが2026.4月から定期接種です。
アブリスボ®は妊娠中のお母さんが接種することで
母体内で作られた抗体が胎盤を通じて赤ちゃんに移行し
生まれたての赤ちゃん(特に最初の6か月)を
RSウイルスから守ることが期待される
マターナルワクチン(Maternal vaccination)です。
②60歳以上の高齢者
一方で、高齢者も接種することで
ご自身のRSウイルス感染症の予防が期待できると言われております。
【アブリスボ®ワクチン情報】
・組み換えウイルス(タンパク)ワクチン
・0.5ml 筋肉内接種
・予防効果の持続についてはまだデータなし
・費用 33000円(税込)2025.4月現在→これが2026.4月から定期接種となり自己負担無料になると言われています。
●アレックスビー®(GSK社)
もうひとつが
60歳以上のハイリスク患者の重症化予防を目的としたRSウイルスワクチンです。
つまり高齢者は選択肢が2つ在るとのことです。
くわしくは
・60歳過ぎたら、RSウイルスワクチン予防接種についてご検討、ご相談ください。当院でも接種可能です。→こちら
【アレックスビー®ワクチン情報】
・不活化ワクチン
・0.5ml 筋肉内接種
・2〜3年毎に1回接種が必要(効果はそれくらいの持続見込)
・費用 26400円(税込)2025.4月現在
アブリスボ®の妊婦さんへの定期接種は、2026.4月からです。
さて長々とした説明になっていきて
分かりにくかったと思いますので
箇条書きでまとめておきます。
【アブリスボ®ワクチンは】
・妊娠中のお母さんが接種することで、産まれてくる赤ちゃんをRSウイルスから守るマターナルワクチン
- 接種対象:妊娠24週~36週の妊婦さん (特に妊娠28〜34週の接種が勧められている)
- 接種方法:筋肉注射(1回のみ、0.5mL)
- 効果:赤ちゃんのRSウイルス感染症による重症化リスクを軽減
- 費用:2026.4月から公費(自己負担 おそらく無料)それまでは、任意接種で自己負担(約3万円程度)
おわりに
今日は、RSウイルスに対する予防接種についてのお話でした。
冒頭でもお話しましたが
ワクチンの情報は
医学的な進歩、公費など社会的な変化
様々な変更が多く本当に混乱しやすい分野です。
医療者でも把握してついていくのは
骨がおれる分野ですから
患者さんにとったら『何をどうしたらいいか分からない』というのが本音かもしれません。
もし迷うような事があれば
診察のときにでも是非相談しましょう☆
現在、定期接種にむけた実質的な準備が進められており
おそらく産科、婦人科が中心となって妊婦さんに定期接種を行っていくものと思われますが
当院へも、接種意向調査がありましたので、接種可能で申請を行う予定です。
また決定次第、またご報告致します。(2026 .2月時点)
あん奈
過去の参照ブログ
・60歳過ぎたら、RSウイルスワクチン予防接種についてご検討、ご相談ください。当院でも接種可能です。
【2025.4月更新 】→こちら
60歳過ぎたら、RSウイルスワクチン予防接種についてご検討、ご相談ください。当院でも接種可能です。【2025.4月更新 】
・風邪に効く抗生剤!? それってウイルスなの?細菌なの??? 2024.7月更新→こちら
・一刻も早く風邪を治したいので抗生物質(抗生剤)を処方してください!?→こちら
・予防接種のスケジュールを立てるときのルールについて(2024.6月更新)→こちら
★★★大人のワクチンについてはこちらも参照を★★
・帯状疱疹ワクチンに不活化帯状疱疹ワクチン接種が加わりました。→こちら
・肺炎球菌ワクチンについて (2024.6月更新)→こちら
・高齢者の肺炎球菌ワクチンが、5年毎ではなく1回で終わる時代が目前です。2026.4月からはプレベナー20 (PCV20)が定期接種になります。キャップバックス®(PCV21)も任意接種ですが、候補にあがります。→こちら

