肺炎球菌ワクチンについて (2024.3月更新)

ご存知ですか?
65歳からの肺炎球菌ワクチンは3種類あります。
(2024 .3月更新)

この記事は、以前UPしたものを、2024.3月に更新しUPしております。

 ニューモバックス®プレベナー®・バクニュバンス®
 について

 

みなさま、肺炎球菌ワクチンは、現在3種類あることをご存知でしょうか?

 

肺炎球菌とは?

さて、そもそも肺炎球菌とはなんでしょうか?
肺炎球菌は主に気道の分泌物に含まれる細菌です。
唾液などを通じて飛沫感染し、気管支炎や肺炎を引き起こす細菌です。

重症化すると敗血症などの重い合併症を引き 起こすことがあります。
特に肺炎はわが国の死亡原因の第 5 位となっています。

成人の肺炎のう ち1/4 ~ 1/3は肺炎球菌が原因と考えられています。
肺炎球菌は実は、90種類以上のタイプがあります。

 

子供は症状がないまま保菌していることが多く
特に保育園、幼稚園などの集団生活が始まるとほとんどの子供が持っていると言われています。
お孫さんがいる方は肺炎球菌ワクチンの接種を強く推奨します。

 

厚生労働省のページ

 

肺炎球菌ワクチンは、現在3種類あります。

さて肺炎球菌ワクチン、実は現在のところ3種類あります。

一つ目はニューモバックス®(PPSV23)
もう一つはプレベナー®(PSV13)と言います。
そして一番新しくワクチンがバクニュバンス®(PSV15)です。

バクニュバンス®(PSV 15 )は、2023.4月から高齢者の任意接種ができるようになりました。
そして2023.6月からは小児に適応が拡大されました。

そして、今まではバクニュバンス®(PSV15)は小児の任意接種だったのですが
2024.4月から定期接種での使用が可能になりました。

高齢者においては
『どうしても肺炎にかかりたくない!!!』
という方の選択肢として
今まで通りニューモバックス®(PPSV23)に追加して
任意接種で、PSV13/15のどちらかを選択して併用することで
より強い、予防効果が得られます。

 

 

・『ニューモバックスNP』(PPSV23)

 

ニューモバックスは、90種類もあるうちの23種類の肺炎球菌をカバーすると言われています。
肺炎球菌感染症の原因菌のカバー率は65〜68%となっています。
効果は5年です。5年毎に接種が必要です。

 

 

・『プレベナー』(PCV13)

 

小児の肺炎球菌ワクチンといえば、バクニュバンス®が登場するまではプレベナー®のみでした
こちらもご参照ください。

『プレベナー』は肺炎球菌の中で、13種類の肺炎球菌をカバーすると言われています。
バクニュバンス®は下記の様に、プレベナーに加え更に2種類カバーすると言われているので
効果は、バクニュバンス®のほうがあると言えます。
こちらの強みとしては、『長年使用されてきた安全性』と言えるかもしれません。

65歳以上の高齢者の方で、『どうしても肺炎にかかりたくない!』というときの選択肢の一つとして
ニューモバックス®と組み合わせて接種するとよいと言われています。

任意接種のみです。
また一生効果が続くので一生で1回きり接種で良いと言われています。

 

・『バクニュバンス®』(PCV15)NEW!!

一番新しいワクチンです。

プレベナー®(PCV13)に加えて更に、22F、33Fという型が追加された15価ワクチンです。

まだ新しい薬ですが、今後はこちらがPCVワクチンの中では主流になっていくかもしれません。
ニューモバックス®との組み合わせた接種方法は、下記の通りで今のPCV13と同じです。

位置づけもプレベナー®(PCV13)と同じですので
任意接種のみ
です。
また一生効果が続くので一生で1回きり接種で良いと言われています。

 

(参照:MSD Connect「日本人を含む国際共同第Ⅲ相試験(019試験:PNEU-AGE)」
(参照:65歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種に関する考え方(第4版 2023年3月24日)

 

では、成人はどの肺炎ワクチンを接種すればいいのか?

では『ニューモバックスNP®』『プレベナー®』と『バクニュバンス®』

はどのように組み合わせて接種すればよいのでしょうか?

肺炎球菌ワクチンの接種間隔

日本感染症学会 Hpより引用→ こちら

 

基本的には、『ニューモバックス®』を基本軸に
現在の所、『プレベナー®』か『バクニュバンス®』を組み合わせることになります。

 

重なった共通の12の型に対しては
下記のブースター効果が期待されておりより強く予防し
さらに重なってない部分も広くカバーできるため
『絶対肺炎になりたくない!!!』というときの選択肢の一つとして
併用をお考えください。

 

★★ブースター効果とは★★

自然感染または予防接種によってできた免疫は時間の経過によってだんだん弱くなります。
そこで、ふたたび抗原に接触することで、より免疫の機能が強まることを指します。
追加免疫効果と言う意味合いです。

 

今の日本では、絶対全員に両方の接種をさせるべきだ!という断定的な結論が出ていません。
希望者が任意接種できるというところにとどまっております。

 

接種スケジュールを立てるときの注意点/ルール

肺炎球菌ワクチンの接種のスケジュール

日本感染症学会 Hpより引用→ こちら

 

 

①ニューモバックス®(PPSV23)の再接種間隔(ニューモバックス同士)

 ニューモバックス®(PPSV23)は、5年以上の間隔をおいて接種します。

 

②プレベナー®(PCV13)/バクニュバンス®(PCV15)接種後の
ニューモバックス®(PPSV23)の接種間隔

プレベナー®(PCV13)/バクニュバンス®(PCV15)接種後の次のPPSV23の接種間隔については
その安全性と両ワクチンに共通な血清型特異抗体のブースター効果が確認されている
1年〜4年以内に行うことが推奨されます。

 

③ニューモバックス®(PPSV23)接種後の
プレベナー®(PCV13)/バクニュバンス®(PCV15)の接種間隔

ニューモバックス®(PPSV23)接種後の
プレベナー®(PCV13)/バクニュバンス®(PSV15)接種については、
1年の間隔が保たれれば、その安全性には問題が無いことが確認されています。

 

おわりに・・・・

さて、今日は肺炎球菌ワクチンについてお話しました。
予防接種については
いろいろなワクチンがありますし(帯状疱疹やら肺炎球菌やら・・・)
複雑でなかなか文章を読むだけでは混乱されるかもしれません。

一緒にスケジュールも立てますので
お気軽にご相談くださいね!
その再は過去に接種した記録があれば必ずお持ちいただけたらと思います!

 

あん奈

2024.3月更新