あなたが自宅で元気に過ごすために、お一人お一人にあわせて『あなた専用のチーム編成』を組めます☆どんなメンバーがいらっしゃるかご紹介します。 

こんにちは
最近ブログのUPの頻度がゆっくりになりすみません。
気長にお付き合いくださいね☆

 

さて、皆様は入院をしたことがありますか?
入院をした事がある方はなんとなくイメージが付くかもですが
入院生活は、医師、看護師、ケースワーカーさん、給食の方、ナースエイドさん、薬剤師さん、リハビリの先生、医療事務さん・・・
など様々な人が療養生活を支えてくださったのではないでしょうか?

 

実は
外来通院や在宅で訪問診療を受けながら
ご自宅で療養されている時にも
たくさんの職種の方に
入院のときと同じように手助けしてもらうことができるってご存知でしょうか?

 

チーム医療

 

 

お一人お一人の
病態や手助けが必要な内容によって
その時々で介入してくださる
チームメンバーは異なりますが
『あなた専用のチーム編成』で
自宅(地域)でもしっかり療養をサポートすることができます。

今日はざっくりとですが
それぞれの立場の方が何をされているのか概要をご説明します。
尚、今日のご紹介は、私目線からの説明ですので
各ご専門の方々、『ちょっとちがうなーー』というときは
優しくご指摘くださいませ☆

●クリニックスタッフ

 

 

クリニックスタッフ

 

まずはクリニックスタッフです。
これはなんとなく、通院されておられる方/訪問診療を受けておられる方はイメージが湧くと思います。
クリニックの役目は簡略化すると
診察をしたり、検査を行ったりしながら、治療方針を決定していきます。

クリニックの中にも多職種のメンバーがいます。
当クリニックでは
今のところ3職種(医師と看護師と事務スタッフ)が協働して
一つの医療を成し遂げております。

どれか一つの職種がかけると
満足の行く診療はできないと思っております。

そしてクリニックの中だけでも
その方々の生活は成り立ちません。
むしろ
クリニックに来ている時以外の生活が成り立ったうえに、医療があると思っております。

そのため実に多くの
地域の方々と協働して医療を行っております。

●ケアマネさん/地域包括センター

ケアマネージャー

 

さて皆様が、介護サービスを受けようと思ったときに
まずはじめに介護認定を受ける必要があります。

お住まいの市役所や地域包括センターでご相談くださると
具体的な手順を説明してくださいます。

簡単に言うと
手続きに必要な申請書を記載し
かかりつけ医に主治医意見書を記載してもらい
ご自宅での様子を調査員が伺いに行って
介護認定審査会で介護度が決まります。

 

そして、介護度が決まったら
受けたいサービスを相談する先は『ケアマネ』さんです。

皆様が医療や介護福祉のサービスを受けようとすると
費用は基本的に

・医療保険
・介護保険

のどちらかが適応になります。

ちなみに基本的には

☆医療行為は医療保険
☆訪問看護さんは医療保険/介護保険どちらの事もありえる(←ここがポイント)
☆その他のサービスは基本的に介護保険
となっています。

病態やご年齢によっては
介護保険を全く使用せず
すべて『医療保険』でまかなうこともありますが
基本的には、『医療保険』と『介護保険』を併用して利用することがほとんどです。

すごーーく簡単に言うと

さて、この『介護保険』の枠をどのように分配してサービスを組みましょうか?
といった『ケアプラン』を立ててくださるのが
ケアマネージャーさんです。

(もっといろいろなことをされているのに簡略化してすみません。。。)

当院では
訪問診療をしている患者さんではほぼ100%
外来患者さんでも
様々な福祉サービスを利用したいときは
まっさきに相談させていただくのが『ケアマネージャー』さんです。

 

ケアマネさんは、『ケアプランセンター』というところにおられます。

介護度が低く、『要支援』となっている場合は
『地域包括センター』の職員さん(ケアマネ資格を持つ方)が、ケアマネさんとしての役割を担っておられる事もあります。

 

介護の申請をしたいけどどう動いたら良いかわからないときは
まずは、市役所か(大阪市役所→こちら)、お住いの担当の地域包括センター(大阪市:地域包括センター)にご相談してみてください。

●訪問看護師さん

訪問看護師さん

次にご紹介したいのは訪問看護師さんです。

どのサービスを組むかは基本的に御本人の自由なのですが
当院は訪問診療の患者様には、ほぼ100%訪問看護師さんの導入をお願いしております。

外来患者様でも
医療必要度の高い患者様は
訪問看護師さんの導入をお願いしております。

先ほど訪問看護師さんの費用は
・医療保険
・介護保険

どちらもあり得るとお話したように
訪問看護師さんは、まさに『医療』と『福祉(介護)』の橋渡しとなる存在です。

訪問看護師さんは、クリニックスタッフと協働して
『ご自宅まで伺って』『看護師』としての仕事をしてくださいます。
『ご自宅での様子』を『医療者』目線で、的確に把握してクリニックに伝えてくださる大切な存在です。

 

当院は外来と訪問診療をどちらもさせていただいておりますが
医師は、今のところ勝司Drの私の二人です。
そのため
外来診察中に、患者様から
『発熱がある』『嘔吐している』『めまいしている!』という一報が入った時に
いつも診てくださっている訪問看護師さんが入っておられたら
すぐこちらから訪問看護師さんに連絡して、状況を確認していただくことができます。

『先に診に行ってもらって状況を把握してきてもらう』
『先に採血やコロナ/インフルエンザ検査』
『自宅で点滴してもらう』
『場合によっては当院につれてきてもらう/救急搬送する』

など、次のアクションを起こせます。

その他にも
普段の様子を観察していただいているからこそ分かる『いつもと違う』を察知していただいたり
便のコントロール(浣腸など適宜私用)
爪切り、床ずれや創部の処置
内服管理・・・・・
インスリンの注射

本当に多岐にわたり助けていただいております。

複数の訪問看護ステーション様と連携しております。
各訪問看護ステーション様に特徴や得意分野があります。
患者様の病態や性格に合わせて
合いそうだな〜という所にご相談したり
ケアマネ様にご紹介いただいたり
患者様の希望に合わせたり、連携の和はどんどん広がっております。

●ヘルパーさん

ヘルパーさん患者さんにとって一番『近い存在』は『ヘルパーさん』かもしれません。
ヘルパーさんはまさに『日常生活をヘルプ』をしてくださる方です。

掃除、料理、お買い物・・・
家事の『お助け』がメインの仕事です。
そういった『家事』は基本的に毎日発生します。
となると必然的に、サービスは毎日になりますし
患者さんや家族に会う頻度も
患者さんを『診る』頻度も一番多くなります。

私の患者様でも
多くの方が『ヘルパーさんなしでは生活自体が成り立たない方』も多くおられます。

精神的にも『いつも来てくれるヘルパーさん』に安心感があり
ヘルパーさんといると落ち着きとびきり笑顔になられる方もおられます。

その他にも
通院介助といって
一緒に受診に来てくださり
家族のように『しっかり外来の内容を聞き取って』帰ってくださったり
時には内服がしっかり予定通りできているか一緒に『内服するところまで確認』してくださったり

さながら『介護に慣れているプロの家族』といった役割です。

ヘルパーステーション様も本当にたくさん地域にあります。
各ヘルパーステーション毎に本当に特徴があります。

●通所系サービス(デイサービスなど)

通所系サービス

中には、家に誰かが来てもらうのではなく
患者さんが『通う』タイプのサービスもあります。

『デイサービス』などがその代表です。

在宅で療養されておられる方は
ご家族様がずっと家で介護されておられる方もいます。

少しの間、安心して『出かけていける先』があることは
本人だけでなくご家族様にとって
とても大切なことです。

また独居の方で
家にこもりきりになってしまいがちな方も
デイサービスに
例えば3回/週などの午前だけ出かけて行き
食事や、入浴やリハビリなどをされてこられるだけでも
少し外の空気を感じる機会を持つ事ができます。

サービス内容は、これまた
各デイサービス事業で本当に様々です。

足腰が元気な方が多いところ・・・
医療的な処置に強いところ・・・
麻雀など面白い取り組みをしているところ・・・
お食事に力を入れているところ・・・

何を大事にしているか
何を求めているか
費用面など
ご自身に合うところをケアマネさんと相談して決めるのが良いでしょう。

ショートステイといって
お泊りサービスもあります。

●薬剤師さん

薬剤師さん

さて、患者様のお薬に関しては
『ポリファーマシー』(お薬飲みすぎ問題)や
『お薬の飲み忘れ問題』などがあります。

そんなときは、『お薬の専門家』の薬剤師さんがとても強い味方です。

在宅の残薬の管理
飲み合わせのチェック(他院も含め)
内服剤形の相談

など多岐に渡ってアドバイスくださいます。

ご自宅まで配達に伺って
よりしっかり自宅での様子を把握していただくサービスもあり
独居の高齢者を中心に心強いチームメンバーとなってくださいます。

●リハビリ技士さん

リハビリ技士さん

『リハビリ』をご自宅で行うことも可能です。
リハビリの技士さんには

・理学療法士さん(PT:Physical Therapy)
・作業療法士さん(OT:Occupational Therapy)
・言語聴覚療法士さん(ST:Speech-Language-Hearing Therapy)

がおられます。

PTさんは、特に身体的なリハビリを担当してくださいます。
例えば、脳梗塞後で手を動かしにくい、足を動かしにくいといった方のリハビリです。

OTさんは、病気や事故で
家事などの生活の動作の機能を取り戻すために作業を通じたリハビリをしてくださいます。

PTさんは
読む、話すなどのコミニケーションに対するリハビリ
食事、嚥下の機能のリハビリ
などを担当してくださいます。

 

●栄養士さん

栄養士さん

栄養士さんがチームに入られる事もあります。
各種病態に基づいた栄養指導を手伝ってくださいます。

私は大阪に来て
開業してからはまだ
栄養士さんと一緒にチームを組んだことがないのですが
今後とっても活躍しそうな分野だと思います。

●その他

その他

その他にも、公的、私的にもチームを支えてくださるメンバーはたくさんおられます。
その方々の状況に合わせてチームが出来上がってきます。

例えば、

生活保護を受けておられる方に関することは、生活保護課の担当の方ともよく連絡を取り合っております。
認知症の疑いがある方は、地域の認知症サポートチーム(大阪市西成区はオレンジチーム)と連携したり
ボランティア支援団体の方が手厚くサポートされている方もいます。
民生員さんやマンションの大家さんがキーパーソンになってくださったりします。

私もその都度
こんな団体があるんだなーと勉強になったり
心が温まったり・・・
刺激的な日々です。

●後方病院

後方病院

さて、在宅で生活をしていても
大きな病院で、入院や受診が『いっときだけでも』必要な時があります。

・病態が悪化し、在宅生活の継続が困難なことがおきた時
・画像検査などが必要になった時
・家族が休養するため(レスパイト入院といいます)

クリニックと大きな病院がそれぞれの役割をしっかり果たしながら
助け合うことを
病診連携(病院ー診療所連携)といいますが

ありがたいことに
当クリニックも多くの後方病院に支えていただいております。

病態や
ご希望に応じて
『それならこちらの病院かな?』と
私が安心してお任せできる所をご紹介させていただいております。

そしてそのような病院の存在のお陰で
われわれのような
小さなクリニックがやっていけるのだと本当に感謝しかありません。

 

おわりに

いかがだったでしょうか?
地域にもこんなにも
サポーター達がおられるんだ!と安心された方もおられるのではないでしょうか?

 

医療の発達とともに
高齢化が進み
在宅で生活される療養者も多様化しております。
入院病床は限りがありますから
全ての方が入院できるわけもなく
そもそも入院したくない人もいれば
入院がその方にとってベストな選択肢とは限らない事もあります。

心身とも健康に
病になっても安心して
イキイキと地域で暮らせるように
ご自身に合った、ご自身の望む医療/介護福祉サービスを選べる時代になってきております。

もしご興味がある方はいつでもご相談ください。

あん奈