よくある疾患シリーズ   〜群発頭痛〜 

こんばんは。

やまもとよりそいクリニックの山本 あん奈です。

リスペクト

私は、クリニックでは主に急性疾患を担当してます。

このブログでは
少しづつ私が普段よく診ている「よくある疾患 (common disease) 」シリーズ
についてまとめて行こうと思ってます。

もちろん
当院で診察させていただいた場合
患者さんお一人お一人に
診断をお伝えした後で
しっかりその疾患のご説明をさせていただこうと思いますが
聞き逃したり、繰り返しお聞きになりたいときに
ご自分のペースでいつでも見れるようにコツコツ書き溜めて行こうと考えております。

 

頭痛総論

さて、頭痛全体のまとめの記事は→こちら
です。ぜひご覧いただけたらと思います。

 

頭痛には、
脳の中に器質的に異常を認めない機能的な「一次性頭痛」
器質的な異常を認める「二次性頭痛」があります。

 

「一次性頭痛」としてよく知られているのが
●片頭痛 こちら
●緊張型頭痛こちら
●群発頭痛
の3つです。

ここでは、「群発頭痛」について詳しく説明していきます。

 

群発頭痛とは?

頭痛にはさまざまなタイプがあり
国際頭痛学会の基準である『国際頭痛分類第3版(ICHD-3)』では実に細かく分類されております。→こちら

その中で、長期にわたりくり返し起こる代表的な一次性頭痛として知られているのが
「片頭痛」「緊張型頭痛」「群発頭痛」の3つです。

そしてこの3つの中でも、周期的に激しい痛みが起こり、仕事や生活に著しい影響を及ぼすのが群発頭痛です。

三叉神経、自律神経と関係があると考えられてきており

『国際頭痛分類』第二版まで群発頭痛は大項目の一つに分類されていましたが
第三版から「三叉神経・自律神経性疼痛」の一つとして考えられています。

群発頭痛は眼周囲~前頭部、側頭部にかけての激しい頭痛、片側の目の奥がえぐられるような強烈な痛み
と激しい痛みが特徴です。

頭が痛い男性のイラスト、群発頭痛

 

また名前の通り、数週から数ヵ月の期間の間群発することが特徴です。
夜間、睡眠中に頭痛発作がおこりやすく
頭痛発作時に
眼の充血や流涙
鼻汁や鼻閉
縮瞳(瞳孔が小さくなる)と眼瞼下垂(まぶたが下がること)などの症状
を伴うことが多いことも特徴です。

また、頭痛発作中は落ち着かず興奮したような状態になる方が多く
動けなくなる片頭痛とは対照的です。

研修医の頃は
待合室の患者さんの様子も観察するようにと指導をうけました。
歩きまわっている場合→群発頭痛っぽい
じっとしている場合→片頭痛ぽい
というふうに。

群発頭痛は20~30才代に多く約85%は男性とされていました。
最近の調査では男女差が縮小してきて女性の群発頭痛も稀ではありません。

また大酒家、ヘビースモーカーに多いともされています。

群発期が過ぎれば痛みは落ち着きますが
痛みが起きている期間は仕事や生活などへの影響も大きく
周りの方の理解が必要になってきます。

しかし三大一次頭痛といわれているものの
群発頭痛の有病率は、全人口の0.1%に過ぎず
比較的まれな病気のためあまり知られておらず
周囲の理解がなかなか得られにくいという問題があります。

群発頭痛の診断基準

群発頭痛の診断基準(国際頭痛分類第3版)を見てみましょう。→こちら

A. B~D を満たす発作が5 回以上ある
B.(未治療の場合に)重度~きわめて重度の一側の痛みが眼窩部、眼窩上部または側頭部のいずれか
1つ以上の部位に、15~180 分間持続する
C. 以下の1項目以上を認める
①頭痛と同側に少なくとも以下の症状あるいは徴候の1項目を伴う
a) 結膜充血または流涙(あるいはその両方)
b) 鼻閉または鼻漏(あるいはその両方)
c) 眼瞼浮腫
d) 前頭部および顔面の発汗
e) 縮瞳または眼瞼下垂(あるいはその両方)
②落ち着きのない、あるいは興奮した様子
D. 発作の頻度は1回/2日~8回/日である
E. ほかに最適なICHD-3の診断がない

 

群発頭痛のメカニズム

詳しい機序は明らかではないですが
どうやら
三叉神経、自律神経と関係がありそうです。

またその他にもいろいろな説があります。

 

群発頭痛の治療


実は、治療法は確立されていないというのが現状です。

ごめんなさいね。

こうなってくると予防が大事です。
アルコールなどにより発作が誘発されることがあり、これらを排除することが有効な場合があります。
喫煙やアルコール摂取の習慣、鼻炎・副鼻腔炎の既往がある場合が多い傾向があるため、
これらを除外や治療することで予防できる可能性があります。

 

●頭痛発作時の急性期治療

普通の鎮痛薬は、効果が薄いと言われています。

・「スマトリプタン」というお薬の皮下注射(保険適用)→当院では常時は置いてません。すみません。
酸素吸入(マスクで純酸素7~10L/分、15分間)が効果的です。→これも保険適応外です。。。

 

●群発期には予防療法

頭痛発作はほとんど毎日繰り返し起こり
1回の頭痛発作は比較的短時間であるため、頓挫薬のみでは十分な治療が困難なので
予防が必要であることは分かっているのですが。。。

残念ながら予防療法も同様に有効なものが少なく、カルシウム拮抗薬、抗てんかん薬投与の試みがなされていますが効果に一定の見解が得られていません。
さらに海外では行っていても日本では、「保険適応外」のものも多く
悩ましいですね。

 

●非薬物療法

今後注目されている治療としては
お薬を使わない治療です。
最近注目されているのは、「ニューロモデレーション」という治療です。
神経を電気/磁気で刺激するそうです。
ただ、、これも現在日本では保険適応外です。

 

なかなか難しいですね。

当院で群発性頭痛と診断したら・・・・

群発頭痛は、このように
なかなか難しい頭痛のため
問診から疑ったり、診断がついたら
頭痛の専門の先生にご紹介させていただくことになると思います。

保険の壁もあり治療は一筋縄ではいかないですが
今から発展してくる分野でもあり
早期のち治療法進歩が望まれますね。

 

おわりに

頭痛シリーズひととおり記載しました。

また折を見て情報ブラッシュアップをしていきますね。

なかなか当院で完結しないものもありますが
然るべき時期に
然るべき機関につなげることも
家庭医の大事なことだとお思いますので

判断に迷う場合はお気軽にご連絡くださいね。

あん奈