漢方薬について〜「気」とは何ですか?〜 今日は、気逆!?

こんばんは。
年末ということもあり気ぜわしい毎日です。

皆様、大掃除はされましたか?
クリニックでは、今年は一気には行わず、みんなでちょこちょこ行うことにしました。

ありがたや。ありがたや・・・・
何を隠そう
一番やらないとと思っているのは、、、私の診察室の
「とりあえず、保管BOX」となっている引き出しです。
そこは、スタッフに頼むわけにも行かず孤独な作業なので、恐ろしいです。

戦々恐々としております。(笑)どうなることやら。。来年に持ち越しか。。。

断捨離のイメージ

 

さて、気を取り直して!?
今日も漢方薬、和漢診療の話をしたいと思います。

今日のテーマは、またまた「気」の異常。

その中でも今日は
「気逆(きぎゃく)」についてです。

気の異常は、今までお話しした
「気虚」「気鬱」と今回の「気逆」の三つで終了です。

 

 

おさらいです。「気」「気虚」「気鬱」ってなんでしたっけ?

前回、

・漢方薬について 〜「気」とは何ですか?〜 気虚??→こちら

・漢方薬について〜「気」とは何ですか?〜 気鬱??→こちら

のブログでお話ししたことを再度まとめます。

読み飛ばしてもらっても大丈夫です!

「気」とは西洋医学では捉えにくい概念ですが、「エネルギー」「元気」みたいな物を指します。

 

当院に来てくださる方で漢方の処方に親和性が高い方は
その概念はスッとしっくりくる方が多いです。

 

「気虚」というのは

虚、、足りないということで

「エネルギーが足りない!」「元気が出せない。」状態のことです。
こういう場合によく処方する漢方薬は、「気」を補うと書いて「補気剤」が中心になってきます。

 

「気鬱」というのは、

本来、体を巡っている「気」どこかで滞っている状態と捉えられています。
滞る場所によって症状は様々です。

よくあるのは
喉に詰まって流れない感じ。
胸が詰まって流れない感じ。
胃が詰まって物が流れない感じ。

大概の場合は、そういった症状が続いて気持ちも落ち込みがちです。

こういう場合はよく処方する漢方薬は、「気」を巡らせる「行気剤」が中心になってきます。

それでは、今日のテーマ、「気逆」ってなんのこと?

今日はまた
「気」の異常の残る一つについてお話しします。
「気逆」と言います。

 

本来東洋医学の考え方では
「気」は巡るものと考えられています。

気の巡りには方向があるとされており
本来は、体の中心から末端へ、上半身から下半身へ
常に循環していると考えられています。

 

その流れが逆流した状態を「気逆」と呼びます。

例えば

・腹部から胸に突き上げるような感覚である「動悸」
・胸から顔に突き上げる「のぼせ」
・みぞおちあたりに突き上げる、「吐き気」「逆流感」
・四肢から突き上げるような疼く痛みや冷え
・ひえのぼせ

なんか「突き上げる」「こみ上げる」感じというのが訴えです。

 

逆流症状 の女性

それぞれ西洋医学的にいうと、まったく違う病態なのに
東洋医学ではこうやって同じ『気逆』と診るんですね。

クリニックでは、まず西洋医学的な観点から
何らか現在の状況を起こしているメカニズムで同定できる問題点がないかという目で
診察、検査をしてまいります。

特に大きな問題がない場合には、漢方薬を試してみる。
こういった感じで診察しております。

 

 

気逆を改善する生薬とは?

一部は気鬱を改善する生薬とかぶりますが

「桂皮(けいひ)(クスノキの樹皮)」「紫蘇葉(そよう)(シソの葉っぱです)」「呉茱萸湯(ごしゅゆ)(ミカン科)」「黄蓮(おうれん)キンポウゲ科」「半夏(ハンゲ)(カラスビシャクの茎)」

なんかがあります。

これら生薬を配合した漢方を選択していくわけです。

気の逆上を収めて、正常に戻す漢方薬を「降気剤(こうきざい)」といったりします。

 

当院の処方について

当クリニックでは
エキス剤という形での処方が一般的です。
要するにインスタント漢方薬です。

 

だいたいのエキス剤は
空腹時に温めたお湯で飲む。
湯飲みにエキス剤を入れて100ml程度のお湯を入れてよく溶かして飲むというのも効果があります。

(中には、冷たい水で飲むほうがいいものもありますから、処方した場合はその都度お話ししますね。)

 

漢方エキス剤

おわりに

今日は「気逆」についてお話ししました。

漢方は知れば知るほど、奥深く
比較的、日本文化に馴染みやすいように感じます。

今まで

「気虚」「気鬱」「気逆」と3タイプの「気」の問題について見て来ました。

 

漢方を学ぶ時
どの漢方薬が目の前におられる患者さんに合うか
色々な、生体の捉え方の概念があります。

どの概念で考えていっても、結局選ぶ漢方薬は「だいたいあそこらへん・・・・」と決まっていきます。

漢字辞典の引き方に似ています。
「部首」で攻めるか?「画数」で攻めるか?「読み」で攻めるか。。。。
みたいな感覚です。

 

気 血 水 イメージ

その中の一つが、「気」「血」「水」という考え方でした。

今で、「気」についてお話しして来たので
また「血」の問題とは?「水」の問題とは?と話を進めていこうと思います。

 

さて、今日はこの辺で。。。。。
あなたが今抱えてらっしゃる体の問題がありましたら
西洋医学だろうが、東洋医学だろうが
その両方をいいとこ取りして
あらゆる可能性から、一緒に問題を解決していきたいと考えております。

 

では。

 

あん奈