プライマリ・ケアのACCCAという考え方⑤ C(包括性)について

こんばんは。

7月までに80歳以上の方の新型コロナワクチンの接種を

なるべく終了まで持っていきたいので

6月の新型コロナワクチンの接種枠を少し増枠しました。

 

それに伴い、すでにご予約いただいていた80歳以上の方

お一人お一人にお電話し前倒しするということを地道にやっております。

お電話に出られない方もおられるので

全員ではありませんが

概ね、80歳以上の方の前倒しができました。

 

入荷やキャンセルのタイミングなど

全てが、申し込み順とはなっておらず

ご迷惑をおかけしてしまうこともあるかと思います。

 

なるべく、年齢、や基礎疾患など諸事情を鑑みて

然るべき時期に接種できますよう整えていく予定ですので

ご協力いただけたら幸いです。

 

さて、今日は少しACCCAシリーズを先に進みたいともいます。

プライマリケアの定義模式図

このシリーズは

プライマリ・ケアのACCCAについて

私なりの解釈を語ってみるシリーズです。

簡単に言うと、

私達が大切にしている医師像を

共有するコーナーです。

【過去の記事】

・プライマリ・ケアのACCCAという考え方①今日は一つ目のAを少しだけ→こちら

・プライマリ・ケアのACCCAという考え方②さて今日は一つ目のAの続きをば。→こちら

・プライマリ・ケアのACCCAという考え方③ まだ一つ目のAについて。→こちら

・プライマリ・ケアのACCCAという考え方④ 遂に一つ目のA終了です。→こちら

 

ついにC、comprehensiveness(包括性)の説明に移ります。

ACCCA comprehensivenessのイメージ

Comprehensiveness(包括性)とはどういうことか。

米国国立科学アカデミーによる、プライマリケアの定義によると

・予防から治療、リハビリテーションまで

・全人的医療

・よくある疾患を中心とした全科的医療

・小児から老人まで

ということになっております。

 

私たちプライマリケアの医師は

「おせっか医」と言われることがあります。

というのも

常に、その病気(疾患)だけじゃなくて

「その人」全体にレンズを合わせて見ています。

詳しくは、過去のブログ、「家庭医の目線。家族の木という考え方」→こちらも参考に

 

 

家庭医が目指すのものの模式図

この図は、家庭医が目指すものの図として

私たちが家庭医療学を学ぶ時によく教えて頂いた図です。

 

病気にならない社会のために、「体質作り」「生活習慣病の是正」「早期発見」

そして病気になっても安心して住める社会のために「良い医療」「良い福祉」「リハビリテーション」

どれもが本当に大切だと感じます。

 

また「疾患」を診るのではなく

その「疾患」を持つ「その人」の物語を診せていただいているという感覚。

家庭医は「疾患」と「病(やまい)」という用語を分けて考えています。

わかりやすくいうと

医学部で習うのは「疾患」です。

でもその同じ疾患名でもそれを患う人の背景は人の数だけ違います。

その疾患をどう【解釈】して

私たちに、何を【期待】していて(お薬が欲しいのか、検査したいのか、説明を受けて安心したいのか、専門医紹介して欲しいのか)

どのような【感情】を持っていて

その疾患がどのような【影響】をもたらしているか???

それは人それぞれです。

そのような全体のことを「病(やまい)体験」と呼んでいます。

なのでその人の家族は?どんな地域に暮らしている?どんな宗教観?なんてことが大事になってきます。

色々お伺いしてすみません。

もちろん言いたくないことを無理に言う必要もありませんからね。

言いたくないってことを含め

対話をしていきたいと思っています。

 

また検査前確率というのがあり

やはりよくある疾患は「よくある」んです。

いきなり稀な疾患から考えるわけではありません。

鼻水、咳、喉の痛み、熱があったらまずはやっぱり「風邪」を疑います。

でもその中で、少しでも「風邪らしくない」を見つけたら、風邪に似た何か他の疾患を考えます。

プライマリケア、一般内科、家庭医という意思は

自分は、〇〇科だからという縛りがないので

あの疾患かしら?この疾患かしら?臓器や科に縛られず考えて参ります。

もちろん、専門医に紹介が必要なら

本人に相談の上そうさせてもらいます。

 

また、子供さんも働き盛りの方もご高齢の方も診せていただきたいと思っております。

もちろん、小児科の先生ほど子供さんばかりを診てきたわけではないけど

自分たちで診ていいのか、やはり「小児科」を受診していただきたいのかという判断をさせていただきます。

 

もっというたら、健康な方々も私たちの範疇です。

今も新型コロナウイルスの予防接種にいそしんでいますが、、、

子供さんの予防接種も

健康診断もやっております。

 

また、例えば夏祭りの救護所、市民健康講座なんかもやっていきたいです。

ゆくゆくは暮らしの保健室とか、、、

玉出の街の安心スポットになっていきたいです。

 

包括すること

とにかく健康も病気も、

簡単に行ったら

誰でも、なんでも

まずはとりあえず相談に来てもらえると(遊びにでも。)嬉しいです。

 

あん奈